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第44回日本死の臨床研究会 年次大会 延期のご報告

松山での再会を約束して 希望と祈りを込めて

大会長 中橋 恒(松山ベテル病院 院長)

第44回日本死の臨床研究会年次大会を2020年10月17日‐18日松山市において開催を予定にしておりましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延状況を考慮し、先にホームページ等でご案内申し上げましたように延期を決定いたしました。

コロナ禍は4月には全国レベルでの緊急事態宣言が出される非常に厳しい状況になり、普段の当たり前と思っていた日常生活を送れなくなることの意味を問いかける災禍となりました。しかし、人類の英知を結集してもなお収束の見通しが立ちづらい現状の中で、私たち一人一人が向き合っている感染拡大防止と日常生活の継続との両立、共存への模索、は人類の強さの証であり、明日に繋がる希望でもあると信じています。日々の生活のため、命を守るため、コロナと立ち向かっている多くの皆様方の活動に改めてエールをお送りしたいと思います。

第44回日本死の臨床研究会“松山大会”は、「看取りを文化に」をテーマに掲げ四国遍路が生み育てた“おもてなしの心”で全国の皆様をお迎えしようと考え、愛媛県知事の協力・地元観光協会や道後温泉協会の皆様のお力を頂き「オール愛媛体制」で準備を進めてまいりました。延期に至る過程で、各種学会で取り入れられているWebによる開催の可能性も摸索いたしましたが、松山大会では様々な職種の方・一般の方が集い、ワークショップによる体験学習、事例を基にした熱のこもった意見交換など、皆様に集っていただく中で多くの学び合いができる場にしたいとの思いから、現状の感染対策による制約された中での年次大会ではなく延期という選択をした次第です。

常任世話人会での皆様方のご理解をいただき大会名称を第44回のままで3年後に開催させていただくことが決定し2023年11月25日―26日松山の地で開催いたします。子規を生んだ松山の文化に触れていただき、道後の癒しの湯で身も心もリフレッシュいただけることを願いつつ、皆様方との再会を楽しみにお待ち申し上げます。

大会長 井上実穂(四国がんセンター 心理療法士)

新型コロナウィルス感染症のため、第44回年次大会が3年後に延期となり、参加を楽しみにしてくださっていた方々には、大変心苦しく思います。

従来、人間は苦しみや喪失から回復するために、お互いに肩を寄せ合い、そのぬくもりを感じ、思いを言葉にし、食を共にすることで乗り越えてきました。残念ながら、今回、それらを安心してすることができない状況が続いています。けれども、どうか心を閉じ込めることなく、見えないものに不必要に怯えず、つながる力を信じてください。そして、3年後に見える世界がどのようなものなのか、失ったもの、新たに得られたものを、皆さんと共に語り合いたいと思います。

哲学者宮野真生子さんと人類学者磯野真穂さんの往復書簡「急に具合が悪くなる」(晶文社2019)では、“約束”とは互いの信頼を足場にした希望と祈りであると書かれています。

2023年11月、四国道後でお会いすることを“約束”しましょう。希望と祈りを込めて。

第44回日本死の臨床研究会年次大会ホームページ https://jard44.xsrv.jp/